王子様と呼ばれた彼に思いを馳せる

 

初めてみたときは、王子様だと思った。彼を表す代名詞としてはあまりにも使い古された言葉だったけど、それでも、こんなに王子様みたいな人がこの世に存在するのかと幼心に驚いた。

 

2005年冬、永遠の新規と呼ばれるいわゆる「ごく出」のKAT-TUN担が生まれた年。10年前小学生だった私も、例にもれずその仲間入りをした。今みたいにこんなガッチガチのヲタクじゃないけど、クラスの女の子たちと「誰々がかっこいいよ!」「いや誰々くんのほうがかっこいいよ!」なんて話をしているだけの、アイドルが好きな女の子だったけど、それでも私の日常の何パーセントかはKAT-TUNによって潤いを得ていた。

 

デビューアルバムの、カメとの曲「SPECIAL HAPPINESS」が大好きだった。QUEEN OF PIRATESのツアーで、エビキスを従えて大きな手足で踊るあなたがかっこよかった。有閑倶楽部での金髪は、本当に王子様になっちゃったのかと思った。KAT-TUNを好きになって、あなたを初めに好きになって、アイドルを応援することの楽しさをたくさん教えてもらった。たくさんのグループを、あなたの後輩を好きになって、少しの苦い気持ちとたくさんの幸せな気持ちを味わう心地よさを教えてもらった。あなたがそこにいてくれたから、私は10年以上も、たくさんの万華鏡がきらきら輝くところを覗き込みたいなって思い続けてこられたんだ。

 

ネット上にはたくさんの憶測がそこら中に転がってる。彼の心情やこの決断に至るまでの経緯を分析したり推し量ったり、まだ信じられていない人、受け入れられていない人、まだ戦えると奮起し行動を起こす人、正解はないしどれも間違いじゃない。私は今では彼の担当でも*1KAT-TUNの担当でもないし、部外者に何が分かるんだと言われればそれまでなんだけど、それでも彼や彼らにきっかけを与えてもらった者として、この事態に声をあげずにはいられなかった。

 

彼が名言したわけじゃないから、何が理由かもわからなくて、怒ればいいのか悲しめばいいのかも分からない。多分怒るもしくは悲しむべき理由がこの先彼の口から明かされても、私はその感情を表すことはできない。もちろん彼に辞めてほしいわけじゃないけど、ここまでことが大きくなってしまった以上、もう引き返せないのではないかという気もする。私はただただ、初めて彼の笑顔に惹かれたときからの記憶を引き出して、彼が心から笑えて、KAT-TUNが大好きだと心から言えていたときに時間が戻ればいいのにと、祈ることしかできないんだ。

 

田口くんの幸せとそれ以外の人の幸せ、いったいどちらを選ぶべき*2なのだろうかと、考えても答えは出ません。きっとなるようにしかならないけど、願わくば、怒り苦しみ、やるせない思いを、少しでも多くの人がしなくて済みますように。

 

 

*1:もともと担当と呼べるほどのものじゃなかったけど

*2:厳密にいうと選ぶ、というのはなんだか違う気がするけどほかに表現できなかった